ジャガイモに味噌つけて食ったら死ぬ件について

note.com

 故・中島らも朝日新聞で『明るい悩み相談室』というコラムを担当していた時の珍相談。きちんと調べたら朝日新聞の昭和62(1987)年6月21日・朝刊・22ページ。

 実際のところジャガイモは水分とカリウムが多いので、塩を多く使わないと味にならない。そこへ塩の代わりに味噌を使うと、かなり大量の味噌が必要になる。昔は味噌は貴重なタンパク源だったので、味噌のムダ遣いを戒めたのだと思う。

 令和の世にネットを調べたら、ジャガイモの味噌炒めのレシピの何と多いことか。Googleだけで約1,070,000件と表示される。クックパッドを見てみたら

cookpad.com

 クックパッドだけで39ページもある。しかしジャガイモの味噌炒めで死んだという話はトンと聞かない。

 ジャガイモ&味噌は日本だけではない。韓国にチャジャンミョンという麺があって、ジャージャー麺の韓国版だが、これはチュンジャンなる現地の味噌ベースで、かなりの量のジャガイモが入っている。インスタント麺も出ているほどポピュラーなものだが、韓国でチャジャンミョンを食って死んだなんて話も、これまた聞いたことがない。

 私は韓国で一度だけチャジャンミョンを食べたことがあるけれども、上にかかっているドロリとした黒いモノは、カレーから味と香りを抜いたみたいな味で、何をどう味わったらよいのか分からず、大いに困惑したものだった。

 先日ふと思いついてチャジャンミョンのレシピを調べ、名古屋の茶色い味噌を使って作ってみたが、「食えなくはない」というレベルだった。名古屋の味噌は非常に味が強いのだけど、あの味噌をもってしてもジャガイモを制することは難しいようだった。

 

 

ライブのクリック

 ラジオで RHYMESTER の面々が少し自慢気に言ってたけど…調べたら公式ウェブサイトでも言ってる:

www.rhymester.jp

そういう思いもあって、今回のポイントとしてはMIDIで併走していない。ふつうはドラマーだけでもクリックを聴いていたりするものなんだけど、こういう編成ではすごくめずらしいと思う。誰もなにも聴かないでやってるんだよ。

 クリック特にライブでクリックというのは世界でも YMO が最初だと思うが、この時代はコンピュータが不安定で、1980年11月7日に「半拍ズレ事件」というのがあった。機材担当の松武秀樹氏の証言:

YMOハイレゾ第2弾発売記念インタビュー! シンセサイザー・プログラマー松武秀樹が語るYMOの音作り - ハイレゾ音源配信サイト【e-onkyo music】

大きな失敗と言えば、何と言っても2回目のワールド・ツアーの「ライオット・イン・ラゴス」でしょう。僕がクリック用のリズムボックスとMC-8のボタン操作を間違えて、同期が半拍ずれてしまったというものですね。

その動画:

www.youtube.com 1:18でドラムの高橋幸宏氏が振り返って機材の松武氏を見てる。もう全員がおかしいと気づいている…かといってみんなヘッドセットをはずしてドラムに合わせるということもなく。結局は全員そもそもクリックがズレているものとして完奏。松武氏は

コンピュータの操作を失敗した場合には、どうしても教授に助けてもらわなければならないね

 と言ったそうだが、動画を私が見るに、1:38で矢野顕子が鮮やかにリカバーしているように思われる。

 

 クリックなしで突っ走った RHYMESTER より、クリックがズレてても何食わぬ顔で完奏した YMO の方が、よりプロフェッショナルだと思う。

 

 

 

 

 

 

これひ鯛、しすかぎょ

 

 この本を読んでたら「これひ鯛」なる謎の魚が登場。なんのこっちゃ?

 調べたらフラ語で dorade という、食用として一般的な海の魚らしい。さらに調べたら、日本の魚で最も近いのは

ja.wikipedia.org しかし「へ鯛」は文学的じゃない。生息域やら姿形や味が似ているのは

www.zukan-bouz.com 「きちぬ鯛」とか「きびれ鯛」とかなら、どうにか納まるだろうに。

 

過去には

www.amazon.co.jp これ読んでて「しすかぎょ」なんて魚が出てきて何がなんだかさっぱりわからなかった。

 改めて調べたらこれフラ語では brochet らしくて、要はアレだ。水槽で飼う魚のカワカマス。あの類のようだ。それならカワカマスと書けば良かろうに…しかし翻訳当時は熱帯魚が主流で、カワカマスはほとんど知られていなかっただろうから致し方ないところではある。

 新訳が出ているようだが、どのような名前になっているか知らない。

 

桜の時期と春分と時正

 徒然草の第161段にいわく:

 花の盛りは、冬至より百五十日とも、時正じしやうの後、七日とも言へど、立春より七十五日、大様違はず。

 桜の花が満開になる時期の話で。時正(じしょう)って、たいがいの辞書には昼と夜との時間が等しい日すなわち春分秋分なんて書いてあるけど、実は違うという話を何かの本で読んだことがある。

 試しに計算してみた。

keisan.casio.jp 兼好法師は京都の人だから地域は京都と設定して、2021年の春分の日へんを計算してみたら

  日出 日没 昼間の時間
2021/3/15 6:06:56 18:05:38 11:58:42
2021/3/16 6:05:33 18:06:28 12:00:55
2021/3/17 6:04:09 18:07:17 12:03:08
2021/3/18 6:02:46 18:08:06 12:05:20
2021/3/19 6:01:22 18:08:55 12:07:33
2021/3/20 5:59:58 18:09:44 12:09:46
2021/3/21 5:58:34 18:10:33 12:11:59

  とまぁ春分の3月20日は昼間の方が微妙に長くて、昼夜がほぼ等しいのはそれより前の3月16日となる。

 ちなみに春分の日など二十四節気の設定法は現代と違っていて(幕末の天保暦以降は定気法)、当時のやり方の平気法(恒気法)だと2021年は3月23日で、数日遅くなる。

 2021年に引き直すと、冬至より150日は5月20日、時正の後7日は3月23日、立春より75日は4月19日、当時の平気法だと4月21日。3月23日はともかく、4月の21日だの5月20日だのは、現代の感覚からして非常に遅い。

 これは桜の品種問題だろう。現代で桜といえばソメイヨシノだが、これは幕末前後に成立した品種だ。兼好法師の時代の京の都には様々な品種の桜があって、花季もまちまち、全体に遅めだったということだろう。

 

 

 

夢日記 2021年5月

2021年5月2日

 ノーベル賞受賞の存命の某先生に個人的にお会いしてお話した際の、先生の述懐。

 先生べつに大学に入学したときから研究漬けだった訳ではなく、音楽サークルに所属しておられた。そこへ他の大学から学生が入部してきた。

 どうもその学生のお父さんというのが旧左翼の大物らしくて、その学生は部落問題がどうの総括がこうの、何かとうるさくて面倒だったと。

 そのサークルいまでは普通の軽音なのだが、いまだにそうした政治勢力からコンタクトがあるようで、在学生も「俺たち普通の軽音だぜ?」と困惑しているらしい。

 

2021年5月7日

  官能小説の映画化作品を見たのだが、まずレズビアンカップルがいて、その片方がバイセクシャルで威勢のカレがいて…その他なんやらかんやらの人間関係が複雑だった。

 

 

 

イグノーベル賞に推薦状を送ってみた

 おなじみイグノーベル賞ですが。

 面白いニュースを見たので、イグノーベル賞に推薦状を送ってみました。

 推薦状の送り先は

https://www.improbable.com/ig/miscellaneous/nominate.html

 

英文メールなんてめったに書かないので、少しヒィヒィいいましたが

Dear Sir,

 
I recommend ********* et al. as Ig Nobel ******* Prize.
They found ******.
For further information, see the link below:
 
Discovery of *****
 
Sincerely Yours,
******

  なに賞として推薦するか、受賞に値する理由、そして最も重要なのは学術的研究としての報告内容が載っているウェブサイトのURLの明記。これは英語で一般公開されているものだったので楽。これが日本語だと翻訳を付けなければならないので非常に厳しい…少なくとも私の語学力では無理。

 そしたらバッチリ返信がありました:

Dear ********.

Thank you. We will give it a good look.

Sincerely and improbably,
Marc 

  なんでも年間で1万通ぐらいの推薦状が届くそうなので、本当に受賞できるかどうかは知りません。

 

夢日記 2021年4月

2021年4月15日

 人類がガラス人間みたいなのを作り出して、はじめのうちはうまくいっていたのだけど増えすぎて、人間を襲うようになった。

 このガラス人間が破壊できなくて、ぶっ壊してもターミネーター2の液体金属人間みたいに復元してしまう。逃げまどい、切羽詰まって私はそこいらにあった強力ゴキブリスプレーをガラス人間に噴射したら動きが止まった。ぶっ壊しても復元しない。なーんだ…と拍子抜け。

 

2021年4月16日

 自分は平安時代の下級貴族のドラ息子で、遠方の土地の受領として赴任。妙に砂っぽい土地で収量も少ないが、自分の取り分は十分にあって、のらりくらりと暮らしていた。

 あるとき満9歳ぐらいの女の子が手紙を携えてやってきた。手紙の主は知らない人物で、この子を頼むみたいなことしか書かれていない。別にこの子の面倒を見る義理はないのだが、見るからに利発そうだし、引き取ることにした。

 それからしばらくして別の人が、この子を引き取りたいと申し出た。いちおう自分は貴族だから、この子を自分の養女という体裁にしなければなるまいが、なんだか人手に渡すのは惜しい。いや紫の上みたいにこの子を育成するつもりもないのだけど…まったく困り果てて私はメソメソして、この子をヒシと抱き寄せるのだった。

 

2021年4月17日

 自分の店で「ケヅレーライス」を作って客に出した。

 ケヅレーとはインド風イギリス料理の kedgeree であり、日本では明治時代に村井弦斎『食道楽 秋の巻』で紹介された。以下は青空文庫版、第百九十四の終盤に登場する:

村井弦斎 食道楽 秋の巻

 現代イギリスのレシピはBBCのウェブサイトにある:

www.bbc.co.uk しかし目が覚めてよくよく考えてみたら、あんなに手際が悪いと商売にならんな。

 

2021年4月18日

 日本の海上自衛隊が、なぜかアメリカの海軍だか海兵隊だかと共同訓練やってる。

 んで巨大なプールの中での訓練が終わって、プールから上がる順番が、まずアジア系、次に黒人、その次にヒスパニック系、最後に白人という順番で、白人がぶーたれたのだけど、訓練の責任者が指示したことだから逆らえない。

 

2021年4月19日

 サザエさんの連載開始は1946年だけど、この夢で登場人物の生まれは当初設定より10年ぐらい早く、時代は戦中戦後。

 戦中。カツオは普通なら旧制中学に入れるような成績ではないのだけど、なぜか結構いいとこの旧制中学に入れて、しかも奨学金までもらってやがる。

 時代は戦後に移って。フグ田マスオは(当然だか何なんだかわからないが)独身で、当時としてはエリートのサラリーマンで(製薬会社ではないお堅い製造業らしい)、すでに勤め先で個室を持っている。

 

2021年4月20日

 とりとめのない夢で、特に文章にするまでもない。ただ新緑の木立の中から上を見上げたら、妙に黄緑がかった色だった。

 

2021年4月22日

 韓国での団体旅行だが、各自プサン金海空港に現地集合。午後の便だから昼過ぎに出れば良いだろうと思ってたら実は13時の便で、あせりまくってタクシーで空港に向かった。

 無事に飛行機に乗れて、機内で能楽を聞いてたら(実際のわたし機内で音楽プログラムを聞くことはない)、なぜか友達からスマホにメッセージが。それはクラウトロックの音源のアドレスで、何をどうしたか知らないが能楽クラウトロックを同時に聞いたらトランス系になって面白かった。

 帰国。たぶん東京の神田あたりだと思うけど植木市。ある鉢にカメラ持った人が3人ぐらい集まって写真を撮っている。見たところその鉢の木にアゲハチョウの巨大な幼虫が2匹ぐらいひっついているようだ。カメラの人たちはXAAがどうのこうの言っている。X社のAAというレンズだと、その幼虫を美しく撮れるということか。

 

2021年4月24日

 実家の玄関先に行き倒れの老女が。警察に通報して引き取ってもらった。

 その老女が何者か調べたら、どうも親の知人で、夫婦でボウリング場の経営コンサルタントをやっていたようだ。しかしボウリング場も数が減り、またラウンドワンみたいな複合施設が主流になって仕事が激減、2003年を最後に音信不通だったようだ。

 

2021年4月30日

 たぶん高校の同窓会なんだけど、2人に同じようなことを言われた。君と組んでいればよかったと。

 片方は衣料品店なのだけど、昔はひと通りの品ぞろえで品物を陳列していれば売れたけれども、今は性別や年齢、素材などで4つも5つも次元があって、そんな複雑な次元で品ぞろえするのが難しいと。

 現在の私はモノを売る商売じゃないけれども、複雑な物事の次元を断捨離して整理するのは確かに得意ではある。しかし、本当にこの同級生たちと組んで商売やってうまく行ってたかどうかは知らない。