ライブのクリック

 ラジオで RHYMESTER の面々が少し自慢気に言ってたけど…調べたら公式ウェブサイトでも言ってる:

www.rhymester.jp

そういう思いもあって、今回のポイントとしてはMIDIで併走していない。ふつうはドラマーだけでもクリックを聴いていたりするものなんだけど、こういう編成ではすごくめずらしいと思う。誰もなにも聴かないでやってるんだよ。

 クリック特にライブでクリックというのは世界でも YMO が最初だと思うが、この時代はコンピュータが不安定で、1980年11月7日に「半拍ズレ事件」というのがあった。機材担当の松武秀樹氏の証言:

YMOハイレゾ第2弾発売記念インタビュー! シンセサイザー・プログラマー松武秀樹が語るYMOの音作り - ハイレゾ音源配信サイト【e-onkyo music】

大きな失敗と言えば、何と言っても2回目のワールド・ツアーの「ライオット・イン・ラゴス」でしょう。僕がクリック用のリズムボックスとMC-8のボタン操作を間違えて、同期が半拍ずれてしまったというものですね。

その動画:

www.youtube.com 1:18でドラムの高橋幸宏氏が振り返って機材の松武氏を見てる。もう全員がおかしいと気づいている…かといってみんなヘッドセットをはずしてドラムに合わせるということもなく。結局は全員そもそもクリックがズレているものとして完奏。松武氏は

コンピュータの操作を失敗した場合には、どうしても教授に助けてもらわなければならないね

 と言ったそうだが、動画を私が見るに、1:38で矢野顕子が鮮やかにリカバーしているように思われる。

 

 クリックなしで突っ走った RHYMESTER より、クリックがズレてても何食わぬ顔で完奏した YMO の方が、よりプロフェッショナルだと思う。