食パンを見るにつけ、昨年に亡くなった赤瀬川原平氏のことを思い出す。
父上が転勤族で、生まれは横浜だけど、大分転勤で、中学まで大分。
高校が名古屋、県立旭丘高校。そこから武蔵美(当時はまだ専門学校)。
大分県民も、名古屋市民も、日本の戦後美術の歴史を知る人でない限り
赤瀬川原平の名前を知らない。
そんな具合だから、ひょっとしたら
数十年で忘れ去られてしまうかも知れない。
マジメに芸術活動やったにも関わらず
犯罪者ということにされてしまって、前科一犯。
その尾辻克彦名義で出版されたエッセイ集に
『少年とグルメ』というのがある。
(のちに赤瀬川原平の名義で文庫本化)
食べ物に関するエッセイ集だけど、
その中に食パンの話が出てくる。
愛知県立旭丘高校のころ、授業中、
食パンに対するレイプを強要され。
武蔵美の学生のころ、
食パンに対して痴漢をはたらいた。
そういう話。
食パンに対してレイプやら痴漢やらを働くっての、
実に芸術的な表現だと感じ入ったものだった。
だから今でも食パンを手にとると、
私はこれから食パンに対して
どのようなプレイを行おうとしているのか?
と思いを巡らしたりするのだ。