実写版シティーハンター、プレビュー。

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実写版「シティーハンター」、11月公開決定! 北条司も「このストーリーは原作にも入れたかった」と太鼓判 - ねとらぼ  (web.archive.org)

 

 検索してたら、フランス語版のブートレグがあった。フランス語わからないけど、実に面白い!何度も見た。日本版を絶対に観るべし。

 

 まず原題は Nicky Larson et le Parfum de Cupidon。直訳すれば『ニキ・ラーソンとパルファム・ド・キュピドン』。ニキ・ラーソンが冴羽獠で、パルファム・ド・キュピドンは「キューピッドの香水」。

 この香水というのが、香水型の強力媚薬(キューピッドというのはそういう意味)で、この媚薬キュピドンを巡るドタバタ、少しだけシリアスなアクション映画。なんしろニキが依頼人(おっさん)にベタ惚れするんだもの。

 終盤を除き銃撃アクションは少なく、徒手アクションがメイン。ジャッキー・チェンの実写版の影響かなあ?

 

 以下、配役等はフランス語版ウィキペディアを参照した。(ヨーロッパの言葉はグーグルで英語に翻訳すれば、だいたいどうにかなる;バスク語は知らんが)

 

 ローラ(香)がもっと可愛かったらいいのにと私は思うのだけど、フランス的にはこれぐらいの感覚なのだろう。実写版だから、さすがに「普通の」ハンマーを振り回す。にしても香のモロ下着姿は、なかなかお目にかかれない(役者さんも大変だ)。終盤でローラの微妙にいじらしい行動が描かれていて。

 エレーヌ(野上冴子)のクールなことと言ったら…あんなシチュエーション、ふつう怒るぜ。フランスの知的でクールな大人の女性は、あんなもん鼻先であしらうということだろうか。

 

 オリジナルとの違いを挙げておく。海坊主ファルコンが完全に敵方。香の兄の槇村秀幸(トニー)が生きた状態で登場し、のっけから殺されてしまう。彼を殺したのが実は…

 

 冒頭で海坊主とニキが病院の手術室になだれ込んで乱闘。手術台の上には男性患者がいて…このシーンさすがにボカシがかかるだろう。患者の局部に拳銃が落ちて、アクションのあげく拳銃をつかんだのはニキで、海坊主が拳銃だと思ってつかんだのは拳銃じゃなくて。まったくフランス的なオチ。

 

 自分のものと間違えてキュピドン入りのアタッシュ・ケースをゲットしてしまったおとっつぁん、その効果に気付くや、自分が大ファンの女性歌手?に対して使おうと、ステージが開催されるモナコへ。これをニキとローラが追う。おとっつぁん首尾よく歌手とベッドイン…というところに割り込みが入って、キュピドン効果でローラを追っかける掃除人の男性もカラんで、めちゃくちゃな展開。

 

 ローラはニキが自分をオンナとして見てくれないことについて、もどかしく思ったり、いじらしいと言うかいじましいと言うか、そういう描写もある。あれはなかなかに悲しいダンスだ。一本の映画だから、そういうのを盛り込む必要はあるだろう。

 

 まったく別の日本のマンガのキャラがカメオ出演というシーンあり。もちろん実写だけど、見てそれとわかる。別の作者の、世界的な知名度シティーハンターよりずっと上の作品の、あのキャラ。なるほど流れ・つながりからして顔出しは大いにアリ。日本のアニメが好きな人ならわかるよね?というクスグリだ。

 

 オーラス。トニー(槇村秀幸)を殺したヤツに対するリベンジが…これをエスプリと言うのだろうか(気の毒に)。そしてローラはもっこりに対しハンマーかかえてニキを追い回すのだ。

 

 これぐらい踏まえておけば、日本版も十分に楽しめると思う。観るべし!

 

 ところでエンディングの音楽は、ハンマー抱えてローラがニキを追い回すところに Get Wild の冒頭部分がかかって、「暗闇走り抜ける」の「る」のコードを受けてオリジナルのエンディング曲に切り替わる。

 そういうことかあ、と謎が解けた。何かというと、1998年に小室哲也が立ち上げた Rojam Entertainment にジャン・ミッシェル・ジャール (JMJ) が関わった件。JMJ といえばフランスの坂本龍一みたいな人。なんで JMJ が関わるよ?というのが20年来の謎だった。

 この映画のエンディングで Get Wild が少しだけながら使われたということは、フランスでアニメのニキ・ラーソン(シティーハンター)が十分に有名で、Get Wild も同様に良く知られていたということだ。

 小室のオファーに JMJ は Komuro, qui? だったはずだが、ニキ・ラーソンのEDの人ということで納得したということだろう。