九州の隅っこのド田舎に生まれ育ち、高校を卒業して30年以上、東京から関西の間を放浪した。
その経験から、今となっては九州の醤油が、どうにもなじめない。ドロっとしていて味が濃い。甘い。
これは、グルテンを化学的に分解した「アミノ酸液」を加えてコクを出して、生薬成分の甘草(カンゾウ)エキスの添加で甘みを付けてるせいだ。
本州の醤油の香味を知っている私としては、キッコーマンか、名古屋・ヤマシンの醤油がメインで、九州の醤油は卵かけごはんか刺身にしか使わない。
台湾に行ったとき、台北のデパ地下を見て回ったら、九州の醤油だらけ。げんなり。これ何とも不健全だよなあ。
九州の醤油はJAS規格で言えば「さいしこみ(再仕込」醤油)になるのだけど、本州の再仕込醤油は、香味は強いものの、コクと甘みが足りない。
父が言ってのを聞いたのだが、どうも戦中に大豆不足で、それでこういう醤油ができあがったのらしい。父は、醤油ってこんなにウマいものだったのかと感動したと言ってた。
平成も年号が変わろうというのに、いまだ戦中をひきずった添加物ごってりの九州の醤油、どうにかならんのか?
どうすれば完全無添加の九州醤油を作れるか、考察してみた。
まず添加物のアミノ酸液。これは小麦グルテンを化学分解して作るものだというから、コクと甘みは小麦を白麹で発酵させれば良いだろう。
しかし単純に小麦を使ったのでは、デンプンが分解され糖分が多くなりすぎてドド甘くなると思う。
だから、ある程度デンプンを除去し、デンプンを少し残した「麩」を発酵させる必要がありそうだ。麩の製造工程で出てくるデンプンは「浮き粉」といって、魚肉練り製品に必須だというから、これはこれで副産物として外販できる。
デンプンの残し方、そして麩をどのような形状にして白麹で発酵させれば良いのかが試行錯誤になるだろう。
大豆は普通に醤油麹で発酵させて再仕込するしかない。
もっとも現在の九州醤油は甘草エキスで甘みを付けているのであり、小麦の麩の白麹発酵でできた甘みは糖分だから、甘さがクドくなるかも知れない。
そしたら、どうしても糖分ナシの甘味料の添加が必要になる。
甘草という生薬は、摂り過ぎたらカリウム欠乏症だの偽アルドステロン症だのといった症状を引き起こす。
そしたら甘草以外の糖質でない甘味料といえばステビアしかないだろう。
まとめると
ということになろうか。