以前のエントリ
べく・べから・べく・べかり・べし・べし・べき・べかる・べけれ・べかれ
について、訂正というか追記というか、そういう話です。
某SNSでの友人の友人が、非常に興味深い指摘をしていた。
いわく、公立小中高校の教員には残業手当などがなく、その代わりとして給与に一律4%の上乗せがあるだけだという。
法令をあたったら、
通称「給特法」なんてのがあって、いわく:
(教育職員の教職調整額の支給等)
第三条 教育職員(校長、副校長及び教頭を除く。以下この条において同じ。)には、その者の給料月額の百分の四に相当する額を基準として、条例で定めるところにより、教職調整額を支給しなければならない。
2 教育職員については、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない。
教員は教育という職務の他に課外活動の指導やら引率やらがあって、残業代やら休日出勤手当やらを算定するのが難しいからだという。
しかしこれは勤務実体と著しくかけ離れており、ブラック企業そのものである、この条項を撤廃し、労働基準法を準用すべきだ、というのが某SNSでの友人の友人の主張。
なるほど。首肯するに足る。
したがって尾木ママの言ったことは、まったく的外れではない…少なくともカスってはいる。
ある種、片務的?であることは確かだ。
労基は民間の学習塾をブラックだと、しばしば摘発する。しかしこれが公立義務教育だとなんら違法ではなく、労基の出る幕じゃない。
これは教員としても、やっとれんわな。
何よりまず、子どもの方が気の毒だ。働いても働いても報われないセンセイの姿を見て育つってのが、何とも…
片や教育者を目指す若い人から見ても、民間の教育産業だったら組合をとおして労基法違反で告発できるけど、公立じゃあどうにもならない。誰も教員になりたがらないですよ。
こういう負のスパイラルがあるのだから、これはどうにかしなければなるまい…じゃあ財源は?って話があるか。公立学校でも非常勤比率がめちゃくちゃ上がってるからねえ。
もっとも少子化のご時世、子どもの数は長期的に減る、だから新規採用は抑えなければならない、けれども少子というのはひどく偏りがあって、特定のごく一部の地域に限って子どもが異常に多いという状況もあったりする。だから雇用者としても、雇用政策については神経質にならざるを得ず、かなり微妙なのは確かだ…
昨年亡くなった某伯父(伯父が複数いるので)は組合活動にうつつを抜かすヤサグレ高校教諭だったけど、いま現役だったら、どうしただろうか?
伯父の現役時代の教職員組合ってば「管理教育反対」であって。当時は出勤簿にハンコつくのでさえ大問題で…というか、今でもタブーなところがあって。
数年前、専門学校の夜間部に通ったことがあるけど、もともとサヨク色の濃い学校法人で、新米校長(当時)がタイムカードの導入に手を焼いたとグチってたっけ。専門学校ですら、タイムカードを導入しにくいという空気があるのだ。
いわんや公立小中高においておや。教職員組合の体質も、おそらく伯父の現役時代とさして変わっていないだろう。
既得権益を守る代わりに、個々の教員の労働者としての当然の権利に目は向かないのかも知れない。
これはもう、若い教員が、労働者としての当然の権利を主張する新しい労働組合を作るしか、方法はないだろう。